3.11  13年目の春

今日は3月11日、あれから13年目の春を迎えました。
朝日新聞の3月10日の東日本大震災の特集記事です。
名取市の高橋善夫さんが載っています。
1週間ほど前、高橋さんからJASTに電話がありました。
「朝日新聞の取材を受けたので、3月10日の新聞に出ます。良かったら見てください。」
久しぶりに聞く高橋さんの声は元気そうでした。
名取市閖上も津波によって、長閑な港町は一瞬にして呑まれてしまいました。
高橋さんの奥さんはじめご家族がその犠牲になりました。
そんな中、仮設住宅の美田園第一の自治会長として被災者住民のために尽力なされました。
リーダーとしてそして相談役として、誰に対しても分け隔てなく暖かく接している姿を傍で見てきました。
閖上地区で、高橋さんの事を知らない人がいないほど住民の方と深く関わっていました。
被災者住民と一緒に困難を乗り越えてこられました。
私達も、高橋さんからたくさんの事を学びました。

電話の最後に高橋さんがこんなことをおっしゃっていました。
「取材に来てくれた朝日新聞の記者さん、まだ若いんだけど福島の原発近くの出身で、その時はまだ中学生だったらしい。将来東日本大震災の記録を後世に残すために新聞記者になって記事を書きたい、そう思って朝日新聞に入ったそうだ。こんな素晴らしい志を持った若者に出会えて嬉しかったよ。」

EPSON MFP image

【ワークショップ】石巻市・心の港音楽ワークショップ交流会&カフェ

2024年2月21日(水)石巻市心の港(旧カリタス石巻)にて、音楽ワークショップ交流会とカフェが開催されました。
前日に会場に着きまして、セッティングや打合せ、リハーサル等を行いました。
前もってリクエスト曲をいただいていましたが、この日新しいリクエスト曲を受け取り音楽プログラムの変更や音合わせで大忙し、明日の準備です。

会場の中に、「能登地震の復興支援のミニバザーコーナー」のスペースが設けられており、訪れた方々が品物を受け取り募金を入れたり、持ち寄った品物を置いていくなど暖かい支援の輪が生まれていました。

この日の音楽プログラムは、追加のリクエスト曲を入れて30曲です。
いぬをさん、ねこきちさんのパフォーマンスに会場は手拍子や合唱で大盛り上がりです。

音楽プログラムが終わり、参加者の代表の方から花束やプレゼントをいただきました。
皆さん、首を長くしてJASTの来訪を待っていてくださっていたそうで、感想や思いをお話しくださいました。
とても名残り惜しいですが閉会となりました。
暖かく迎えてくださった心の港施設スタッフのフランス人、コロンビア人、フィリピン人の3人の女性の方々、仙台や県内各地からボランティアで応援に駆けつけてくださった方々、参加者の皆さん大変ありがとうございました。

【ワークショップ】郡山市・東原団地音楽ワークショップ交流会&お茶っこ

2024年1月28日(日)郡山市東原団地において音楽ワークショップ交流会&カフェが開催されました。
この日は東原団地の新年会で、コロナ禍の中でも感染対策をして毎年行われてこられたそうです。
第一、第二、第三と3棟の建物があり、85世帯の方々が主に相双地区から避難や移住されている方が住んでおられます。
音楽ワークショップの前に、参加してくださった皆さんに山形の湧水で淹れたコーヒーでひと時の癒しの時間を過ごしました。郡山で被災者支援をされている団体のメンバーの方々が、会場の皆さんに美味しいコーヒーを淹れてくださいました。

住民の皆さんからのリクエストがとても多く、本番直前まで音合わせ、リハーサルに追われていました。

音楽プログラムが始まると会場の参加者は、思い思いにリズムを取って手をたたいたり、一緒に歌ったり、中には涙を拭いている方も見受けられました。
団地の住民だけでなく、近隣の方々も参加してくださいました。
地域コミュニティ造りにも役立ててくださいました。

音楽ワークショップは盛況のうちに幕を閉じました。
終了後、新年会に参加させていただきました。
集まった住民の方々から、様々な思いを聞かせていただきました。
「双葉町から避難して転々として、この場所に住むことになった。震災後に歌を聴いて涙が出たのは今日が初めてでした、歌っていいね。」
「震災から13年経とうとしてるけど、身辺の整理、心の整理はまだ終わっていない。」
「住民のみなさんと集まってお話しができることが何よりの楽しみ、この時間を大事にしたい。」
「故郷の大熊町に帰ることは諦めた、人に迷惑掛けたくないから通院や買い物等の利便性を考えたらここがいい、でも故郷の景色を時々思い出す。」
「能登地震のニュースがテレビに映ると涙が出てくる。」

東原団地の皆さま、みんぷくの皆さまありがとうございました。

【ワークショップ】大熊町・リンクル大熊音楽ワークショップ交流会&お茶っこ

2023年12月22日(金曜日)大熊町のリンクル大熊において、音楽ワークショップ交流会&お茶っこが開催されました。
大熊町での開催は今回で2度目です。
復興が進む中、大熊町に帰還した方も多くいらっしゃいます。
これまで会津若松市、田村市、郡山市、いわき市の避難住宅でJASTのワークショップに参加なされた方々の中で大熊町に帰られた方との再会を喜び合う場面もありました。
中にはわざわざ会場まで来てくださった方もおられました。
新しい町が動き始めて、徐々に小中学校、幼児の数も増えてきているとのことでした。
今回のワークショップは、幼児や小学生も参加してくださいました。
音楽のプログラムは、前半が子供向けの音楽やクリスマスソング、後半は大人向けの昭和歌謡という内容で会場が一体となって楽しんでおられました。

参加者は音楽に合わせて、鈴やタンバリンで盛り上げます。

大人も子どもも音楽を通して一体となり、音楽プログラムは終了しました。

この後、お茶っこが開かれました。
地元で支援しておられる団体から参加者にクリスマスのお菓子のプレゼントがありました。
子どもたち同士のコミュニケーションの場としても盛り上がっていました。
大熊町で久しぶりに再会する方、今日初めて会った方、参加した皆さんは思い思いに大熊町での生活の事や、これまで住んでいた避難地域の思い出のお話などを語られていました。
この地域の復興を願い大熊町を後にしました。
ワークショップを推し進めてくださった支援団体の皆さん、関係機関の皆さん、住民の方々に感謝いたします。

【ワークショップ】会津若松市・年貢町団地昭和歌謡ワークショップ交流会&お茶っこ

編集

2023年11月16日会津若松市年貢町団地集会所において、昭和歌謡音楽ワークショップとお茶っこが開催されました。
JASTが「心の復興」事業を始めた頃から交流している団地です。
コロナ禍で伺うことが叶わず、4年ぶりに住民の皆さんとお会いすることが出来ました。
久しぶりの住民の方々との再会でした。
大熊町、浪江町などの相双地区からの避難者が多く暮らしておられます。
被災地の再興で故郷の大熊町などに帰還されている方も多くおられて、団地の空き室が多くなったとお聞きしてました。
そのために住民の方々の生活も変わってきており、様々な負担も増えているとのことでした。

現地で支援してくださっているみんぷく郡山の担当者の方も、寄り添って住民の方々のサポートをなさっている様子でした。

今回の交流会は年貢町団地住民だけではなく、近所の年貢町の住民との交流会も兼ねています。
この地域に暮らす住民同士が助け合ってコミュニティを形成しようと努力しておられる様子がうかがえました。

昭和歌謡の音楽ワークショップが終わった後に、お茶会が開催されました。
住民方々との再会に、「元気でしたか?」「今、どうなされてますか?」から始まって話しは尽きません。
住民の方々もお話ししたいことがたくさんあるようでした。

お茶会の終わりにリクエスト曲を歌ってくださいと、住民の方々からの希望がありました。
会場の皆さんと、一緒に歌を歌って交流会は終了しました。
住民の皆さんから「また、来てください。」「JASTさんと年貢町団地の交流をこれからもお願いします。」 このようなお言葉をいただきました。
年貢町団地住民の皆さん、年貢町住民の皆さん、みんぷく郡山の皆さんありがとうございました。

【ワークショップ】本宮市・吹上団地昭和歌謡ワークショップ交流会&お茶っこ

2023年11月15日本宮市吹上団地集会所において、昭和歌謡音楽ワークショップとお茶っこが開催されました。
大熊町、浪江町などの相双地区からの避難者が多く暮らしておられます。
コロナ禍前は住民同士の交流やコミュニケーションの場がたくさんありましたが、コロナ禍の影響もあって自治会が解散して住民が集まる機会が失われたとお聞きしました。
今回のイベントをきっかけに、久しぶりに住民の方々が集まられるとのことでした。
準備の段階から、住民の方々が集会所に集まってくださって会場の設営や機材の搬入などをやってくださいました。

以前は集会所で、住民の皆さんが集まってカラオケをやっておられたとのことで、歌が大好きな方が多く昭和歌謡の音楽に手拍子でリズムを取ったり、一緒に口ずさんだりと思い思いに楽しんでいる様子がうかがえました。

事前にリクエストをいただいていて準備をしていったのですが、当日会場準備の際に新たなリクエストもいただいて、いぬをさんねこきちさんは即興でリクエスト曲を仕上げてプログラムに入れることもありました。会場に集まった方々は大喜びで感動しているようでした。

音楽のワークショップが終わった後は、参加者みんなでお茶会を開催しました。
住民同士が集まってお話しをする機会がコロナ禍で無くなってしまいましたが、今回の交流会をきっかけに吹上団地のコミュニティ再開の希望が持てたと、長年吹上住宅に寄り添って支援してくださっているみんぷく郡山の担当の方がおっしゃっておられました。
帰り際に、住民の方々が見送りに来てくださって「また、是非きてください。」「今度はいつ来てくださいますか?」とお言葉をいただきました。
吹上団地の皆さん、みんぷく郡山のみなさんありがとうございました。

【ワークショップ】陸前高田市・栃ヶ沢アパート昭和歌謡ワークショップ交流会

2023年10月22日陸前高田市の栃ヶ沢アパート集会所において音楽ワークショップ交流会が開催されました。
岩手県で所帯数で最も多い復興住宅として、コミュニティの形成に苦労され築きあげてこられた自治会です。震災から12年が過ぎて住民の高齢化という新たな課題に向き合っておられます。
ここ数年連続で陸前高田市内の栃ヶ沢集会所・シンガポールホール・下和野団地集会所等を伺っていることから、自治会の役員の方々や住民の方々とも顔なじみになってきました。
陸前高田市の町の復興と住民の方々の変化の様子を見せていただきました。

昭和歌謡ワークショップでは、事前にリクエスト情報をいただいてなるべく反映できるように心掛けていますが、本番が始まってから客席からリクエストの声をいただくこともあります。
持ち歌は200曲くらいはあると思いますが、それでもマニアックな曲のリクエストもあります。
綿密な事前のリハーサルで来ていただいた皆さんに最高の音楽をお届けするよう努力しています。

この日も、当初準備していたプログラムを参加者の皆さんの好みに合わせて自在に変化しながら進行します。
殆んどの参加者皆さんが、大きな声で一緒に歌ってくださいました。

参加者の中から「歌詞カードがあったらもっと歌えたのに。」との声をよく聞きます。
音楽ワークショップのMCの中で「歌詞カードを配るのは著作権法に触れるので、難しいのですよ!」と説明するのが定番となるほど、参加者の皆さんは一緒に歌いたい気持ちなんだなと感じます。
大きな声で一緒にに歌って笑顔で帰って行かれる皆さんの表情を拝見することがとてもうれしいです。
栃ヶ沢アパート自治会の皆さんありがとうございました。

【ワークショップ】本宮市・下田第二昭和歌謡ワークショップ交流会&お茶っこ

2023年10月21日本宮市下田第二集会所において、昭和歌謡音楽ワークショップとお茶っこが開催されました。
前回は昨年度事業で2023年1月に伺っています。
住民の皆さんからの要望で2年連続の開催となりました。
普段、下田第二の支援活動を行っているみんぷく郡山さんのコーディネートで繋がらせていただきました。
相双地区からの避難・移住の方々が多く住んでいらっしゃいます。
自治会の運営が行き届いていて、定期的に住民の方々のコミュニケーションを推進するようにされているとのことでした。
前回のワークショップがとても盛り上がったこともあり、多くの方々が参加してくださいました。


音楽プログラムが始まると、皆さん懐かしい曲に一緒に歌ったり、ハミングしたり、手拍子でリズムを取ったりと思い思いに楽しんでおられました。

音楽プログラムの後は、お茶っこで楽しく和気あいあいと語らいの時間を過ごされていました。
下田第二住民の皆さん、暖かく迎えていただいてありがとうございました。

【自主事業】昭和歌謡ショー・老人保健施設

2023年9月14日山形県河北町介護老人保健施設「紅寿の里」において、昭和歌謡ショーが開催されました。
「紅寿の里」施設長の仙道富士郎医師は一般社団法人JASTの顧問でもあります。
JASTの事業の「こども心の防災師」の監修や医療の見地からJASTへのアドバイザーとしてご協力をいただいています。
「昭和歌謡ショー」は、これまで主に東日本大震災の被災地各所や避難者のいる場所で開催されていました。その効果は関係者の方々から評価されてきました。
今回は、医療現場や介護・福祉施設での音楽によるセラピー効果を目的として行われました。

参加者は、80~90才代の入居者と介護職員合わせて50名以上の方々です。
施設の担当者の方からは、入居者が歌謡ショーに参加できる時間は長くても1時間が限界です。
もしかしたら、途中で休憩時間が必要かもしれません、その時は声を掛けます、と説明を受けていました。

「歌謡ショー」の当日、参加する入居者は30分くらい前から会場に集まり始まるのを待っていてくださいました。
「歌謡ショー」は約60分のプログラムです。
歌謡ショーが始まると、参加者の皆さんは元気で一緒に歌ったり、拍手でリズムを取ったり、MCにも大きな声で答えてくださったり、思い出の曲が流れると涙したり、全身で音楽を受け入れてくださり、思い思いに音楽を楽しんでくださいました。
結局、心配していたようなことは起こらず無事に60分を超す「歌謡ショー」が終了しました。
終わってからも、中々その場から離れず隣の方と話したり、余韻に浸っておられる方もおられました。

職員の方々から、「生で音楽を聞くのは、コロナがあったので3年以上ぶりでした。認知が進んでいる方もかなりおられますが、入居者の方々のこんなに生き生きとした表情が見られたのは初めてです。」
「1時間座っているのはこれまで経験がありませんでしたが、今日は、1時間以上ほとんどの方が座っていてくださいました。音楽の力ってすごいですね。」
会場で後片付けをしているときに、入居者の方が「素敵な歌が聞けて幸せになりました。若いころを思い出しました。」と声をかけてくださいました。


「歌謡ショー」が終わり、施設長から「歌謡ショーの間、後ろを見ながら入居者の様子を見ていましたが、普段なら注意散漫になり大きな声を出したりするような方が最後までちゃんと聞いていたことや、今までに見たことのない入居者の生き生きとした表情に、音楽の持つ大きな力と可能性を感じました。とても良い試みであったと思います。」とお言葉をいただきました。
参加された入居者の皆さん、準備をされた施設職員の皆さん、仙道施設長ありがとうございました。

【ワークショップ】酒田市・昭和歌謡ワークショップ交流会&お茶っこ

2023年9月13日、山形県酒田市社会福祉協議会において、昭和歌謡ワークショップ交流会が開催されました。
東日本大震災が発生して、多くの方々が山形県内に避難されました。
現在も、まだ避難者の方々が山形県内に多くさんおられます。
今日は、主に庄内地区に避難しておられる方と、これまで避難者の支援に関わってくださいました福島県、山形県、各市町村や社会福祉協議会、民間支援団体の皆さまが企画してくださった交流会です。
今年の2月に山形市において避難者と支援者の昭和歌謡ショー交流会が行われました。
その交流会がオンラインで庄内地区の避難者や支援者にも届けられました。オンラインを見ていた方々にとても好評だったそうです。是非庄内においても開催したいとの避難者と関係者の熱い思いから今回の交流会が実現できました。

会場には、支援者の方々がコンサートが開始した後からもたくさん駆けつけてくださいました。
参加者は「いぬをさん」「ねこきちさん」と書かれた手作りのうちわを持って、歌に合わせて振ってくださったり手拍子で盛り上げたり一緒に歌ってくださいました。
参加者の方々がどれほど楽しみに待っていてくださったのか、よくわかりました。
今回の歌謡ショーのプログラムには参加者の方々からいただいたリクエストの曲も入っていました。

歌謡ショーが終わった後に、別室でお茶っこが開催されました。
避難者の方々とJASTのメンバーとの記念写真を撮ったり、コーヒーやお茶を飲みながら、久々の再会をされる方、避難者の方々の近況を話したり、これまでの思い出を語り合ったり、避難者や支援者の方々が和気あいあいと楽しい時間を過ごされました。
「また、来てください。」避難者や支援者の方々から、このようなお言葉をたくさんいただきました。
ここまでの企画や準備をしてJASTを迎え入れていただきましたこと、たいへんありがとうございました。